この数年東京の坂道を主体に歩いてきたが、 縁あって名古屋地区に勤務するので そんな報告をしたい。
現在私が勤務する「愛知みずほ大学」は単科大学で学生数800名強という ちっぽけな大学である。キャンパスは豊田市の北郊の猿投(さなげ)地区にあり、 すぐ傍を矢作川が流れ勘八峡という名勝地もある。紅葉で有名な香嵐渓(足助町) まではクルマで20分といった地にある。
今回は近くの2つの坂道を紹介したい。
ひとつは大学の裏にあるさびしい坂道というより山道である。
ところが坂を下ったところには、豊田市の「前田公園」という公園がある。
この公園は、素封家の前田氏がS7に私財を投じて作ったが、その後荒廃していた
ものをH8に市が再整備したという。この公園には豊田市民芸館、陶芸資料館なども
置かれている。
公園内には広い駐車場があり、平日は空いているので本学の学生は
この駐車場を利用していて(クルマ通学は認めていない)、決してさびしい
だけではない坂道なのである。休み時間に歩いていると学生に良く出会い、
「こんにちは!」と挨拶するのも小さな学校のメリットであろう。
もちろん駐車場利用については市の了解を得ている。
もうひとつは公園内にある「名物石段」と呼ばれる階段坂で、なかなかのものである。 石段は101段あって、山の上には先述の前田氏が寄贈した大きな「洞ヶ峯聖観世音 菩薩像」が立っていて、豊田市が一望できる。他にも多くの観音像などの石仏があり、 桜と紅葉の名所とのこと、秋には見物に来たいところである。石段(参道)の両側には 灯篭の礎石が並んでいて、市の説明では戦争中の三河大地震で倒壊したとあるが、 地元の人によると「戦後盗難にあったため礎石だけが残った」とのこと。この説明の 方が納得性がある。合わせて観音像に嵌め込まれていた宝石も盗難に遭ったとの話。
両坂とも名前はない訳だが(名物石段というのも名前か)、それなりに興味を引く坂道
である。こんな田舎にいることをまずご報告しておきます。
機会があればお訪ねください。
「名物石段」と言われる石段の坂道
| 「名物石段」を上ると聖観世音菩薩像がある
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