中京の坂だより・4     

タモリの本に刺激されて名古屋にも坂道愛好者が登場しつつある。
とはいっても名古屋で有名な坂道と言えば、 「茶屋が坂(紹介済)と梅森坂ぐらい」との記述があるぐらいのレベルである。
それでも「坂道散歩」というHPを作成して、クルマで走って快適 (小生も同じ道を利用して同感)、散歩向きの坂道、 散歩中の季節の発見などが紹介されている。

前述したが、名古屋でも東部、東南部には丘陵が多く、 「丘」のつく町名が37もあることでわかるが(「台」も18ある)、 「坂」のつくのは9つに過ぎない。
坂名への関心は未だのようである。
諸先輩の調査や関連諸資料が手に入りやすい東京の坂道ファンの幸せを噛みしめている。

今回は千種区にある2つの坂道を紹介したい。
 

菊坂
菊坂の屈曲地点から坂下を見る
椙山のシンボル杉の木が見える

まず、「菊坂」である。
前回紹介した月見坂から末森通を西へ150メートルの 地点から南方向に下る坂道である。
S20年に町名を募集したところ「菊坂」と呼ばれる坂道があったのでこの名にしたという。
坂下に向かって右側が菊坂町、左側が丘上町という。
坂名の由来は不詳だが、恐らく「菊」の花と関係があったのであろう。

坂下には「名古屋嬢」で知られる椙山女学園があり(高校・中学のほか小学・幼稚園もある)、 彼女たちの通学路にもなっている。
また、坂を下ったところに池を埋め立てたできた二ツ池公園がであって、 子どもたちの遊ぶ姿もある。

現在はずっと人口も増えて、すっかり住宅街となりマンション・住宅が上:左へ 曲がりながら下る菊坂(丁度下校時である)立ち並んでいる。
坂道としては悪くない評価。

古井の坂を坂下から見る
通りは飯田街道

もうひとつは菊坂から約1.5kmの 「古井の坂」(こいのさか)である。

この辺りは良質の地下水があったところとして知られており、 地名にも吹上などとして残っている。
そのためか大日本麦酒名古屋工場が坂下近くにつくられたが、 現在は閉鎖され再開発の途上にある。
古井とされる井戸の地点は不明。

坂道は飯田街道(153号線、今は裏道化)にあり、バス停や商店街の名前にもその名がある。

坂道としては緩やかだがもうひとつの感。
坂の名は聞きようによってはロマンティックな響きを持っていて、 話題を集めそう。
この坂には他にも話題があるがまたの機会に…。

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