中京の坂だより・6     

  前回に続いて8つの坂の簡単な紹介をしたい。

 「八事八つの坂の街」のシンボルは「蝶」である。その謂れは郷土玩具「八事の蝶々」として、竹ひごの先につけた色鮮やかな半紙の蝶々を興正寺のお土産品として持ち帰ったことに由来しています。したがって路面に埋められた坂のプレートにも蝶のデザインが画かれ、坂の位置を色を変えて示しています。


〔雲雀坂〕

八事交差点から西方の「雲 雀ヶ丘」方面へ山手グリーンロード (八勝通)を上る。この先には雲雀 ヶ丘、緑ヶ丘、桜ヶ丘といった高級住 宅地がある。「ヒバリーヒルズ」とい った名前のマンションもある。

 

〈写真右〉 雲雀交差点から坂上を見る

天道坂
〔天道坂〕

雲雀坂の上りはじめから左折し、さらに二つに分かれるが、これを右にしばらく行くと下りになる坂道。天道山高照寺という家康と縁の深い寺があり、この名がついている。

高照寺前から八事交差点
方面=坂上方面を見る
高照寺の境内


〔音聞坂〕

天道坂に行かず左に行くと、同様にしばらく先 で曲がりながら下ってゆく坂道。左手にある音聞山(おと ききやま)に由来する坂名だが、鳴海の海鳴りの音が聞こ えたのでこの名がある。坂の先には善光寺があり、明治に 出張大勧進があったとの碑が坂上に建てられている。

 

〈写真右〉 音聞坂の坂上方面を見る

塩釜坂
〔塩釜坂〕

八事交差点から南に上 る坂道。もともと八事石坂と言わ れ、塩竈神社(宮城の塩釜から分霊 したもの)への参道であったので この名がある。

 

 

 

〈写真右〉 塩釜坂、八事交差点方面から坂上を見る


〔石屋坂〕

飯田街道の坂道で、八事交差 点から東南東に上った後下りとなる。 左手に広大な八事霊園があり、墓石需要 を狙いに多くの石材店があり、この名が ついた。うち一軒の看板には「人生最終 住宅建設所」とあり、思わず笑ってしま った。

 

〈写真右〉 交差点から上りの部分

山手坂
〔山手坂〕

八事交差点から 東北へ上る坂道で、左手 に中京大学があり、さら に南山大学、名古屋大学 へと続く。山手グリーンロードと呼ばれ、 坂名の起源になっている。

 

 

〈写真右〉 八事交差点から山手坂上方面を見る
左の大きな建物が中京大学

参道坂
〔参道坂〕

八事交差点から北西に下る飯田街道の坂道。右手に八事山興正寺があり、 その参道として名づけられた。かっては名古屋市電がこの通りを交差点のところまで やってきていた。坂下左手には八勝館という昭和天皇が泊まられた名古屋一の 名門料理旅館があり、 道路名にもその名がある。(八勝通)

〈写真右〉 参道坂、坂上を見る。
先の信号が八事交差点

大学坂
〔大学坂〕

参道坂から山手坂に上って 抜ける横丁の坂道。7つでは足りない のでもう一つということでつけられた と勘ぐっている。坂上に向かって左の お店の裏側が中京大学というのが名前 の由来であろう。

 

 

〈写真右〉 重要文化財の興正寺の五重塔

八事交差点に立つ坂の案内
坂下から見る大学坂
坂上が山手坂

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