2011.7
 麻布の坂をあるいて
   〜 心地の良い場所にはわけがある    
 佐藤 雅美


2月に開催された「芝公園の探梅と麻布の坂ブラ巡り」で坂を歩いていて、心地よさを感じる場所がありました。
その時感じた爽快感は、一体なにからきたものなのか? なにがそのように感じさせるのか?
歩いていて心地よく感じる場所にはわけがある・・今回は、そんな視点で書いてみます。

まずは、コース紹介から・・

芝公園の探梅と麻布の坂ブラ巡り(坂学会2011/02/27実施)
集合:芝公園駅→芝公園→綱の手引坂→日向坂→仙台坂→善福寺→南部坂→有栖宮川公園→木下坂→狸坂→大黒坂→解散:麻生十番「きみちゃん」像
※梅観賞、芝丸山古墳の碑、伊能忠敬測量表などの芝公園での歩きの模様はこちらで紹介しています。
  →エドルネ日記:芝公園の探梅と麻布の坂ブラ巡り その1(坂学会)

(→グーグルマップで見る  .

上図は、グーグルアースを利用して今回歩いたコースの一部を東京地形地図に重ねたものです。
(芝公園駅から日向坂までのコースは省略しています。)

風通しがよい・・・というか、風を感じ、なんか心地よいなぁと思ったポイントがありました。
それは北条坂のポイントから狸坂の方に右に折れる手前までの道筋です。

※「北条坂」のポイントについてですが、この地点は西から上がってくる坂が北条坂となり、その頂上にあたります。
ちなみに今回は、北条坂は歩かず、上から坂を見下ろしたのみでした。

これは、ルートラボの地図で、歩いたコースの高低差などの検証ができます。結構アップダウンがあることがわかります。
先ほどの、心地よい風を感じた場所は、3.5km付近の赤色の帯域で示され標高の高い部分に当たります。

(→ルートラボで見る))  .

こちらは、北条坂の付近の地図をズームしたものです。
ちょうど愛育病院交差点あたり(北条坂のポイント)が、標高の高い場所となります。
ここからしばらく標高30mのラインとなります。
今回の坂歩きコースでは、よく見ると標高30mポイントが2カ所あり、仙台坂過ぎたあたりが、もうひとつのポイントです。
しかし、心地よく感じた場所は、仙台坂過ぎあたりもというよりは、北条坂のポイントからの道筋でした。
これは、標高だけでない何かがあります。

地形について、東京地形地図をグーグルアースでぐりぐり動かして、眺めてみました。

先ほどの説明のとおり、北条坂のポイントがちょうど愛育病院前の交差点となります。
(北条坂のポイントは坂上なので、北条坂自体は左下に下っていきます。線は引いていません)
この愛育病院前交差点あたりは、地形的に高台にあたり、きっと昔から風がよく通る場所だったに違いありません。

愛育病院

もし一人だったら、なんかいい風が吹くな!くらいで、その場所のもつ魅力にまで、気がつかずに通り過ぎるところでした。
(やはり建物に囲まれていると気づきにくい)
同行のTさんの「ここは今回の歩いた中でも、標高の高いポイント、いままさに台地の高台にいる」 といった言葉に、その場所の魅力を感じながら、歩くことができました。

改めて地図でみてみると、心地よく感じる場所には、やはりわけがありました。
それは、風と地形のマッチング!?
いえ、それだけじゃない、もっと違う何かがあるのかもしれない。
坂のある場所はおもしろいですね。

風を楽しみ、地形を感じながら
五感をくすぐる魅惑の坂歩きを楽しんでいきたいと思っています。


地図利用サイト:
 Googleマイマップ
 LatLongLab ルートラボ
 Google Earth
 Tokyo Terrain東京地形地図     

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