鬼平犯科帳の坂
檜貝哲哉 (巻数・文春文庫) | |||||
区 | 坂名 | 作品集名 | 題 名 | 巻数 | 場 面 |
大田 | 此経難持坂 | 追跡 | 本門寺暮雪 | 9 | 平蔵と井関は雪の夕暮れに池上本門寺に詣でるが、刺客に後をつけられて本門寺正面石段(此経難持坂)の上で待ち伏せされる。死斗の末に一時は危なかった平蔵だが、柴犬に救われて刺客を斬る 。 |
新宿 | 市谷八幡男坂 | 鬼平犯科帳 | 女掏摸お富 | 2 | 市谷八幡でお富を見つけ男坂から浄瑠璃坂へとあとをつける。お富は一時はやめていたのに、ゆすられて実行したスリの快感が忘れられずまたスリとって平蔵につかまる。 |
合羽坂 | 一本眉 | 夜針の音松 | 13 | 同心松永弥四郎の妻お節は実家からの帰り道に合羽坂で托鉢僧に襲われる。平蔵長男辰蔵がこれを助ける。僧の正体は実は夫の弥四郎だった。 | |
左内坂 | 兇劒 | 霧の七郎 | 4 | お頭や兄を平蔵にとらえられた霧の七郎は平蔵の長男辰蔵の暗殺を浪人上杉周太郎に依頼する。上杉は辰蔵のあとをつけるが気になりやめる。上杉は実は左内坂に道場をもつ坪井主人の昔の若主人だった。 | |
流星 | 泥鰌の和助始末 | 7 | 左内坂の坪井道場へ松田十五郎(実は松岡重兵衛で平蔵の昔の恩人)が現れて門人たちを討ち破ったと道場に通う平蔵長男辰蔵が平蔵に告げる。 | ||
追跡 | 狐雨 | 9 | 平蔵は左内坂上の菓子舗桔梗屋宗兵衛の喜楽煎餅が好物である。長男辰蔵は道場の帰りによく土産に買ってくる。 | ||
鬼火 | 旧友 | 17 | 平蔵暗殺を請け負った浪人高橋勇次郎は道場破りをして回っていたが、市谷左内坂坪井道場では破れ、大野弁蔵から仲間いりを呼びかけられる。 | ||
浄瑠璃坂 | 鬼平犯科帳 | 女掏摸お富 | 2 | 市谷八幡でお富を見つけ男坂から浄瑠璃坂へとあとをつける。お富は一時はやめていたのに、ゆすられて実行したスリの快感が忘れられずまたスリとって平蔵につかまる。 | |
台東 | 車坂 | 流星 | 泥鰌の和助始末 | 7 | 辰蔵は道場の近くで松岡をつけると神田から上野へ、車坂をおりて下谷にゆく。 |
密告 | 二つの顔 | 12 | 平蔵は下谷に劒友岸井左馬之助を見舞った帰りに上野山下へ出ようと車坂をくだる。途中で与平に素人娘を世話すると誘われて「ひら井」に入る。 | ||
一本眉 | 殺しの波紋 | 13 | 与力富田達五郎は人に隠した殺人をもとにゆすられる。五条天神でゆすりいいの手紙を受け取り車坂をのぼって上野山中で読む。 | ||
三崎坂 | 鬼平犯科帳 | 老盗の夢 | 1 | 喜之助は江戸に来てから首振坂(三崎坂)の長遠寺に身を寄せていた。 | |
密告 | 白蝮 | 12 | 平蔵長男辰蔵は谷中いろは茶屋からの帰りに男装の女劒士自称津山薫を三崎坂で見かける。好奇心から後をつけ正体を見きわめるため言いがかりをつけるが白扇を投げつけられて見失う。 | ||
善光寺坂 | 鬼平犯科帳 | 谷中いろは茶屋 | 2 | 「川越の旦那」実は盗賊の墓火の秀五郎はいろは茶屋のなじみの女お松のところに行く途中牛下の数珠屋油屋の乙吉を訪ねる。油屋は善光寺坂の中ほどにある。 | |
天狗坂 | 密告 | 密告 | 11 | 20年以上も前のこと本所で殿さま小平次として鳴らした美男御家人はお百を妊娠させた。お百につきまとわれた小平次は待乳山聖天宮の石段(天狗坂)でお百をけおとす。平蔵は小平次をこらしめた。 | |
三浦坂 | 災の色 | 隠し子 | 23 | 平蔵は異母妹お園がいたことを始めて知る。お園は三浦坂の横で居酒屋三坪を開いていた。 | |
千代田 | 九段坂 | 鬼平犯科帳 | 老盗の夢 | 1 | 簑火の喜之助は若い盗賊3名に裏切られ監禁されるが脱出し、九段坂で3名に追付き坂下居酒屋で2名を刺殺するが、残り1名とは相討ちになる。 |
鬼平犯科帳 | 女掏摸お富 | 2 | 平蔵は市中っ巡回のため清水門役宅から九段坂をのぼる。 | ||
密告 | 密告 | 11 | 久兵衛は平蔵役宅から近い九段坂下によしず張りの居酒屋をだしている。或る夜久兵衛は中年の女から密告の手紙を預かって役宅に届ける。手紙には深川で押込みがあると書いてあった。 | ||
影法師 | 白根の万左衛門 | 16 | 平蔵は木村忠吾をつれて市中見巡りにでる。九段坂をあがり平河天神にさしかかった時馬蕗の利平治が近づき盗賊の万左衛門に見たと告げる。 | ||
春の淡雪 | 麻生一本松 | 21 | 同心木村忠吾は一本松(坂)茶屋お弓と逢引の約束をする。しかし当日になって平蔵に市中見巡りの同行を命じられる。清水門役宅から九段坂をのぼり六本木へかかり鼠坂をのぼる忠吾はこのままでは植木坂へ行くのかと心中ぼやく。鼠坂で2人は3人の刺客に襲われる。 | ||
文京 | 菊坂 | 血斗 | 夜鷹殺し | 4 | 旗本の子川田宗太郎は菊坂の岡場所の女(玉屋のおせん)に通いつめるが親にとがめられ心中してしまう。 |
切通坂 | 流星 | 鯉肝のお里 | 9 | 女盗賊のお里は切通坂下にある化粧品屋丁子屋の●代徳次郎を男買いして不忍池の茶屋にくわえこむ。 | |
立爪坂 | 追跡 | 五月雨坊主 | 10 | 似顔画のうまい絵師の石田竹仙は妻恋坂近くに住み、その家の玄関は立爪坂に面している。 | |
団子坂 | 密告 | 白蝮 | 12 | 盗難品と知り津山が団子坂をのぼったと見て本郷あたりを探索させる。 | |
鬼火 | 闇討ち | 17 | 平蔵が権兵衛酒屋からでて駒込と団子坂の分岐にさしかかるころ5名の刺客に襲われる。平蔵は倒れたふりをして密偵に刺客の後をつけさせる。浪人どもは団子坂をくだり下谷から入谷の屋敷に入る。 | ||
災の色 | 隠し子 | 23 | お園は店を終わって団子坂をのぼった後浪人につれさられそうになる。様子を見に来た平蔵がこれを助ける。お園は安全のため役宅に住むことになる。 | ||
妻恋坂 | 追跡 | 五月雨坊主 | 10 | 似顔画のうまい絵師の石田竹仙は妻恋坂近くに住み、その家の玄関は立爪坂に面している。竹仙は朝竹仙は朝 玄関近くで、死体を発見し町奉行所に届ける。 | |
鬼火 | 権兵衛酒屋 | 17 | 人相書のうまい絵師石田竹仙は妻恋坂に住んでいる。追ってこの家は盗賊改の見張所となりおまさが泊りこんで吉野道伯の動静を見張る。 | ||
鉄砲坂 | 草雲雀 | おれの弟 | 18 | 大助は富坂に住んでいるが目白坂をくだり鉄砲坂から研師井上宅に寄り刀を受け取る。 | |
天神石坂 | 血斗 | はさみ撃ち | 5 | 薬種問屋の万屋小兵衛の女房おもんは男坂下の茶屋桐屋で貸本屋(実は女騙しの盗賊)友蔵と密会する。 | |
災の色 | 夜鴉の声 | 23 | 女密偵おまさは盗賊の峰山の初蔵に声をかけられ2人で湯島天神境内の茶屋に入る。窓この茶屋のの下は男坂の石段である。 | ||
動坂 | 流星 | 盗賊婚礼 | 7 | 平蔵と岸井左馬之助はかつての劒友である旗本林内蔵之助の下屋敷に招待される。下屋敷は動坂にあり,ここから巣鴨にまわる途中で盗賊同志婚礼から争いになった瓢箪屋での騒ぎにであう。 | |
富坂 | 草雲雀 | おれの弟 | 18 | 平蔵は雑司ヶ谷の料理茶屋橘やで昔劒術弟分だった滝口文助が女連れで来たのを見かける。平蔵は富坂大助の後をつける。大助は富坂に住んでいるが、目白坂をくだり鉄砲坂から研師井上宅に寄り刀を受け取る。 | |
富士見坂 | 霧の朝 | 逃げた妻 | 19 | 平蔵は波切不動堂から富士見坂をおりる。坂をおりたあたりで燕小僧の姿を見つけ後をつけて盗賊の隠れ家を発見する。 | |
目白坂 | 草雲雀 | おれの弟 | 18 | 大助は富坂に住んでいるが目白坂をくだり鉄砲坂から研師井上宅に寄り刀を受け取る。 | |
港 | 愛宕男坂 | 密告 | 消えた男 | 10 | 与力の佐嶋忠之助は市中巡回の途中愛宕男坂をのぼろうとしたところ女坂をおりて来た高松繁太郎とであう。 |
愛宕女坂 | 鬼平犯科帳 | 座頭と猿 | 1 | 座頭(実は目あき)の彦の市に一時囲われていたおそのは、女坂わきの茶屋井筒に戻った彦の市はお互い知らぬまま盗賊仲間となった徳太郎(おそのの愛人)に襲われたが逆に刺し殺して姿をくらましたためである。 | |
密告 | 消えた男 | 10 | 与力の佐嶋忠之助は市中巡回の途中愛宕男坂をのぼろうとしたところ女坂をおりて来た高松繁太郎とであう。 | ||
霧の朝 | 妙義の団右衛門 | 19 | 密偵の馬蕗の利平治は女坂で盗賊の団右衛門とであう。利平治は後をつけられ役宅に入るのを見られ後で殺される。 | ||
一本松坂 | 追跡 | 本門寺暮雪 | 9 | 劒友で今は托鉢坊主の井関録之助とであう。井関は大坂時代の凄い使い手刺客をみたといい後をつけるが一本松坂で見失う。 | |
春の淡雪 | 麻生一本松 | 21 | 同心木村忠吾は一本松(坂)茶屋お弓と逢引の約束をする。 | ||
植木坂 | 春の淡雪 | 麻生一本松 | 21 | 清水門役宅から九段坂をのぼり六本木へかかり鼠坂をのぼる忠吾はこのままでは植木坂へ行くのかと心中ぼやく。 | |
魚籃坂 | 流星 | 泥亀 | 9 | 元盗賊の泥亀の七蔵は魚籃観音堂境内に茶屋を開いたが、医者へ行った帰りに魚籃坂をのぼる途中錠前外しの名手の関沢の乙吉とであう。 | |
春の淡雪 | 男の隠れ家 | 21 | 元盗賊の泥亀の七蔵は魚籃観音堂境内に茶屋を開いていた。 | ||
迷路(長編) | 座頭徳の市 | 22 | 調べは難行し各所に見張所をおいて怪しい者を見張る。魚籃坂の七蔵の茶屋も見張所として使われる。 | ||
暗闇坂 | 助太刀 | 助太刀 | 20 | 横川甚助に助太刀を頼まれる めざす相手は暗闇坂下に小さな道場を開く市口又十郎だった。 | |
迷路(長編) | 座頭徳の市 | 22 | 暗闇坂下で前は市口の居住していた道場である。平蔵は道場に乗りこんで2人を斬る。 | ||
三光坂 | 助太刀 | おしま金三郎 | 20 | 元同心松波金三郎は三鈷坂(三光坂)で居酒屋を開いていた。 | |
汐見坂 | 春の淡雪 | 男の隠れ家 | 21 | 弥吉は聖坂から汐見坂をのぼり隠れ家に入る。 | |
仙台坂 | 迷路(長編) | 座頭徳の市 | 22 | 主犯の安藤玄丹は知らないまま仙台坂をのぼる。酒を買って道場に行くが待っていた平蔵に斬られる。 | |
鳥居坂 | 血斗 | おしゃべり源八 | 5 | 同心の木村忠吾は墓参りで叔父の中山茂兵衛に会った。中山の屋敷は鳥居坂にある。 | |
霧の朝 | 霧の朝 | 19 | 平蔵に協力する樋屋の富蔵は鳥居坂で手配中の蜂須賀の為五郎を捕える。為五郎の情婦お安は仕かえしに富蔵養子幸太郎を誘拐する。 | ||
鼠坂 | 兇劒 | 麻布ねずみ坂 | 3 | もみ治療の名手中村宗仙宅は鼠坂の途中にある。同心山田市太郎が宗仙宅を見張っていると怪しい石島浪人を見かける。 | |
五月闇 | 浮世の顔 | 14 | 平蔵は八十勘左衛門を訪れるため鼠坂にさしかかる。この時浪人3人が若い女に乱暴しようとしているのを見て平蔵は浪人を斬る。浪人の1人坂口は佐々木が探していた敵で不思議な縁だった。 | ||
春の淡雪 | 瓶割り小僧 | 21 | 石川の五兵衛が子供の頃であった。生意気をとがめられて鼠坂で赤松小平太に斬りかかられる平蔵が通りかかって助ける。 | ||
春の淡雪 | 麻生一本松 | 21 | このままでは植木坂へ行くのかと心中ぼやく。鼠坂で2人は3人の刺客に襲われる。 | ||
迷路(長編) | 座頭徳の市 | 22 | 平蔵自身と関係者が次々刺客に襲われ死者がでる。医師井上立泉の家来和田十次郎までもが鼠坂で殺される。 | ||
聖坂 | 兇劒 | お雪の乳房 | 3 | 密偵の彦十が梅原の伝吉(盗賊鈴鹿の又兵衛の配下)のあとをつける。伝吉は三田から聖坂をのぼり功運寺で大国家の飯たきのおろくとツナギをつける。 | |
追跡 | 本門寺暮雪 | 9 | 平蔵は二本柳にある細井彦右衛門宅をおとずれるため馬で三田から聖坂をのぼる。平蔵は済海寺前で劔友で今は托鉢坊主の井関録之助とであう。 | ||
助太刀 | 助太刀 | 20 | 平蔵は細井彦左衛門宅を訪れるため三田から聖坂をのぼる。 | ||
春の淡雪 | 男の隠れ家 | 21 | 弥吉は聖坂から汐見坂をのぼり隠れ家に入る。 | ||
目黒 | 行人坂 | 鬼平犯科帳 | 蛇の目 | 2 | 平蔵暗殺に失敗した蛇の平十郎は、盗みの前に目黒不動に囲ったお妙の家からの帰りに行人坂をかけのぼる。 |
血斗 | おしゃべり源八 | 5 | 中山は忠吾に行人坂で百姓姿の久保田源八に会ったと話す。久保田は張り込みの途中で行方不明になっていたのである。 | ||
流星 | 鯉肝のお里 | 9 | 老密使の舟形の宗平は密偵になる前は目黒村の盗人宿の番人をしていたが、或る日行人坂をくだったところで目黒不動へ参詣にきた長虫の松五郎とであう。 | ||
草雲雀 | 俄か雨 | 18 | 平蔵は市中見廻りで目黒不動から行人坂をのぼる。平蔵は千代ヶ崎へ向かう頃俄か雨にあって百姓家の軒を借りる。平蔵は同心細川峯太郎が権之助茶屋のお長をつれこむのをかくれ見る。 | ||
助太刀 | 二度あることは | 20 | 同心細川峯太郎は両親の墓まいりのあと目黒不動に詣でる。細川は帰りに行人坂をのぼり権之助坂茶屋(元愛人お長)を見ている間に眼鏡師市治郎の不審な行動に気づいて後をつけ身許を調べる。追って市治郎は盗賊友次郎の昔の仲間と解ってくる。 | ||
権之助坂 | 密告 | 消えた男 | 10 | 高松は一本杉のところで平蔵につかまり密偵となる。一本杉は権之助坂をくだったところからよく見える。 | |
五月闇 | さむらい梅五郎 | 14 | 同心木村忠吾は目黒不動に詣でる。盗賊の須坂の峰蔵は忠吾にそっくりの松吾郎と間違え配下にしてくれと頼み2人は相談を重ねる。峰蔵の仲間の宿は権之助坂わきの茶屋にあり、盗賊改めの見張所は同じく上覚寺のおかれる。 | ||
草雲雀 | 草雲雀 | 18 | 同心細川峯太郎は結婚後初めて目黒に行く。細川は人相書気で見た盗賊鳥羽の彦蔵を見つけ後をつける彦蔵は権之助茶屋(お長)のとなり小間物屋かぎやに入る。この店は盗賊の瀬川の友次郎がおきぬに預けた店である。友次郎は彦蔵に殺される。 | ||
助太刀 | 二度あることは | 20 | 同心細川峯太郎は両親の墓まいりのあと目黒不動に詣でる。細川は帰りに行人坂をのぼり権之助坂茶屋(元愛人お長)を見ている間に眼鏡師市治郎の不審な行動に気づいて後をつけ身許を調べる。 |