坂のプロフィール 地域・No. 沖縄・那覇市−11
報告者 Koh Motoki
報告日 2015年02月01日
登録日 2015年02月01日

 

坂名 蚊坂 (がじゃんびら) 別名
所在地 地図g  那覇市垣花町3丁目から鏡水まで
目印  国道331号線(豊見城-糸満道路)、鏡水交差点から垣花交差点方向へ下る道はパイナップルハウス前で山下高架道路と別れ再び合流する。坂下で奥武山公園(おおのやまこうえん)にでる。山下高架道路の北側が旧道部分で旧道の坂脇に「蚊坂」坂標が立つ。道路改修のため昔の蚊坂の位置はわからなくなった。
坂の特徴 坂の方向  西南西から南西に回り込んで上る
長さ  旧道坂部分:260m
斜度  緩やか(旧道坂部分:高低差15m,平均斜度3.3度)
形態  半円状に曲がるスロープ
標識  旧道の坂脇に坂標がある。
ガジャンビラ
那覇垣花から小禄安次嶺にいたる坂道の名称。付近一帯を指す地名にもなっている。琉球王国時代、中国からの施設(冊封使)は、この地を指して「儀間山(ぎまやま)」・「筆架山(ひっかざん)」と記しているが、1877年(明治10)刊行の『沖縄志』(伊地知貞馨著)の那覇港図には、「蚊坂(がじゃんびら)」とあり、ガジャンビラと呼ばれていたことがわかる。名称の由来は定かではないが、『南東風土記』(東恩納寛惇著)は、坂の付近に住む人名または屋号をとって、「我謝の坂(がじゃのひら)」から転訛したものではないかと記している。一方、那覇の民話は「昔、中国から持ち帰ってきた蚊が、この坂の上で逃げてしまい、ここから琉球国中に広まった」と伝えている。1905年(明治38)に始まった垣花と糸満村を結ぶ県道工事により、ガジャンビラの坂道は整備され、1918年(大正7)には馬車軌道も敷設された。坂の両側や付近の丘陵には松が生い茂り、また、坂の頂上からの眺望はすばらしく、眼下に見下ろす那覇・垣花の街並みは、絵画や絵葉書の題材にもなっている。沖縄戦の後、坂一帯は米軍基地となったが、1972年(昭和47)の日本復帰後、ガジャンビラを含む旧県道は、那覇糸満間の幹線道路国道331号線として整備された。1984年(昭和59)には国道331号線山下高架径開通により、ガジャンビラの一部は旧道となった。
由来 他  名称の由来には諸説ある。
 @昔、中国から持ち帰った蚊をこの坂で逃がしてしまったことから蚊坂と呼ばれるようになった。この話は民話として語り伝えられている。
 A坂の付近は昔「我謝(がじゃ)」と呼ばれた地名が転訛した。
 B坂の入口に「我謝(がじゃ)」と呼ばれた家があった。
 坂の南側の高台に「がじゃんびら公園」(金城1丁目)があり「がじゃんびら」の名が残る。
命名時期  
参考文献
写真 撮影日  2014/2/2 撮影者  Koh Motoki

旧道の坂脇で「ガジャンビラ」の坂標が設けてあった
旧道の坂脇で「ガジャンビラ」の
坂標が設けてあった
写真右の道が旧道部分、左の道は山下高架道路で坂上で旧道と別れ、坂下で再び合流
写真右の道が旧道部分
左の道は山下高架道路で坂上で
旧道と別れ坂下で再び合流している

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