坂のプロフィール 地域・No. 東京・杉並区−48
報告者 M.Ogawa
報告日 2010年3月11日
登録日 2010年3月11日

 

坂名 薬罐坂 (やかんざか) 別名
所在地 地図g  杉並区上荻3丁目
目印  青梅街道の“八丁”交差点から南に曲がると“上荻本町通り”。この通りの中ほどから善福寺川まで下る坂。
坂の特徴 坂の方向  北北東に向かって上る坂
長さ  100m
傾斜  緩やか(高低差2m,平均斜度1.3度)
形態  直線
標識  坂上の交差点に,杉並区が設置した標識が建っている。
薬罐坂  (やかんざか)
 この坂道は薬罐坂と言われていて「豊多摩郡誌」(大正五年刊)には「大字上荻窪本村に俗称薬罐坂と呼べる傾斜路あり,昔雨の夜毎に坂の中程に薬罐の転がり居れる奇怪事ありて,この名を得たるよし。雨の深夜など,今も時として薬罐出ずるなど云うものあり。」と書かれています。
 今でも地元には,次のような言伝えが残されています。雨のある夜,八丁通りで一杯飲んで,家に帰る途中,ほとんど人家のない下り坂を歩いていると,真赤に焼けた大きな薬罐が道路のまん中に転っていた。一杯ひっかけて良い機嫌なので,じゃまなその薬罐を足でけとばすと,真赤な薬罐は,ころころと下り坂を転がり落ちていった。この話が広まり,その後も何人もの人が,焼けて真赤になった薬罐を見たということから,誰言うともなしに薬罐坂の呼び名がついたと言うことです。
 今とはちがい交通の開けていなかった区画整理前の薬罐坂は,両側に樹木の繁った薄暗い,道幅も狭い急坂で,大八車などを引いて通るには,大変な坂道でした。そのさびしい坂には,狐狸のたぐいがすんでいて,いたずらをしたということが,このような伝説を生みだしたのかも知れません。
 通称地名には,昔の杉並をしのばせるものがたくさんあります。薬罐坂の地名も大切に伝えてゆきたいものです。
     平成三年三月
            杉並区教育委員会
由来 他  昔 雨の夜毎に,坂の中程に薬罐が転がっている不思議な事があって,この名が付いた。(標識より)
命名時期
参考文献
写真 撮影日  2009年12月 撮影者   M.Ogawa


薬罐坂 薬罐坂
薬罐坂

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