イベント 神戸の坂を歩く
坂学会巡検 「神戸の坂(須磨・北野界隈)」
イソガイマリコ .日時 : 2008年5月18日(日)8:30〜16:00
天気 : 晴れ
参加者 : 9名T.須磨の坂 U.北野の坂
II . 北野の坂 (午後の部)
午前中に須磨の12の坂道を巡った後 ちょっとJR舞子駅まで足を伸ばし、明石海峡大橋を車中から眺めてUターン。 今回の巡検の第一の目的である北野界隈の坂を巡るために三ノ宮へ戻ります。北野界隈で名前のある坂は6坂ですが、すべて南から北への上り坂です。
神戸といえば港の町、神戸市の9つの区のうち東灘区から垂水区までの7つの区が、 瀬戸内海を眼前に六甲山を背に街を形成しています。 海から山麓の南北の幅が狭く、北野界隈については、北野天満神社、うろこの家辺りが北限です。 土地の起伏は東京に比べてあまり激しくありません。町割りは碁盤の目状で、 幹線道路となっている坂道も真直ぐ南北に伸びています。これが坂の距離の長い理由と言えるかも知れません。北野界隈は明治に入り外国人居留地として市街地化され、洋風建造物が明治・大正期に建築されました。 北野界隈の坂名は、それら洋風建造物と関連するものが目立ちますが、昭和52年のNHK 朝の連続ドラマ「風見鶏」以降、道路に愛称をつけようということになり次第に名前がついたと、 いくつかのHPで拝見しました。
さて、普段東京で坂歩きをするときは1日で大体8〜10坂を2時間程度で歩きますが、 本日は午前中だけで3時間程度歩いたのでかなりエネルギーを消耗しています。
まずは昼食をとってエネルギーを補給ということで、神戸出身メンバーK氏お薦めの ホテル北野プラザ六甲荘に向かいます。ところが、目指す六甲荘は比較的傾斜のきつい不動坂の途中にあり、 この急坂を克服しないとランチが食べられないのです。
1.「不動坂」
北野坂下から史跡三本松へ向かって、南から東北に上がる湾曲した急坂。
名前の由来は、坂上の三本松に不動明王立像(昭和10年〔1935〕)頃の彫刻)が安置されているから ということです。北野坂と同時期に愛称として命名されたそうです。
坂名表示板もおしゃれですね。坂名由来の表示板 もあったら言うことないのですが。
目指すホテル北野プラザ六甲荘は、この坂の途中の右にあります。
昼食後、元気を取り戻して、いざ出発。不動坂はまだ上りが続きます。 今回北野界隈で巡る6坂のうち、唯一カーブのある坂です。
2.「オランダ坂」
風見鶏の館の西側2本目の南から北に上る狭い急坂。坂の途中にオランダ人貿易商、 故チャーリー・エリオン邸宅があることに由来するそうです。 姉の故メーベル・エリオンが1982年10月24日まで実際に住んでいらっしゃいました。
坂道が異常に混んでいます。周りに看板が乱立して残念ながら趣が感じられません。
この坂の右側にあるのが「本家オランダ館」で、左側に元オランダ総領事邸「香りの家オランダ館」があります。
結構キツイ急坂です。狭いので車は入れません。エリオンさんは大変だったでしょうね。
オランダ坂上のウィーンオーストリアの家を左折してデンマーク館を右折すると 丁度オランダ坂から一本西側にある無名の坂に出ます。この坂を下ります。
3.「天神坂」
北野町2丁目10番と3丁目5番の間を北野通りから、南から北へ上る坂。 坂名は坂上に北野天満神社があるため。
天神坂は、旧パナマ領事館とバラスティン邸の前の坂です。
下りだと北野町広場の坂と間違えやすいので要注意です。
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こちらが正解の坂。上からみたところです。
こちらは北野町広場横の坂上です。天神坂はこちらではありません。
でもこちらの方が上から見るとかなりの急坂なので、つい下りたくなります。
学問の神様「北野天満神社」の前に出ました。
お隣に見えるレンガ造りの建物が「風見鶏の家」です。
国指定重要文化財「風見鶏の家」(ドイツ貿易商トーマス氏の旧住宅)をバックに北野町広場で記念撮影。
因みに、下から見た天神坂です。上り始めてすぐ右にバラスティン邸。現在は喫茶店になっています。
4.「北野坂」
山本通1丁目22番と2丁目24番の間を中山手通りから北野通りへ、南から北に上る坂道。
道路に愛称をつけることになり「ヒルトン通り」から「北野坂」になったそうです。
中山手通りから見た上りです。
坂の途中に宮水を使った水出し喫茶「にしむら」があります。 混んでいて入れずザンネン。心残りです。
5.「ハンター坂」
北野坂の西隣、中山手通りから北野通りへ、南から北に上る坂。
坂名は、かつてこの坂上にハンター邸があったことに由来するのですが、 なんと萌葱の館の上の方に標識があり、そちらまで続いている長い坂だったということが後から分かりました 。 いつもなら徹底的に歩き回って調査するメンバーですが、 今回は少し疲れてしまいそこまで気が回らなかったですね。
このハンター坂だけに石の標識があります。
異人館通り(山本通り)とハンター坂の交差点から下りを見ています。
6.「トアロード(坂)」
異人館通り(山本通り)の西端、山本通3丁目の交差点を南へ下る坂。
海岸から山手への道の突き当たりに明治40年(1907)開業のトア・ホテル(Tor Hotel)があったため と言われています。トア・ホテルは現在神戸外国倶楽部になっており異人館通りより上(北)にあるので、 実際には神戸外国倶楽部より南へ下る坂と言えそうです。
「トアロードは坂名か?」というご異論もあろうかと存じますが、 1872年頃居留地と山手地区を結ぶ幹線道路として整備された坂道で、 現在も坂道および呼び名が街のランドマークとして機能していることから、坂名として取り上げました。
異人館通り(山本通り)と山本通り3丁目の交差点から海岸方面の下り坂を見ています。
坂の途中には北野ホテル、東天閣など洋風建築や、おしゃれなお店があり雰囲気のよい坂です。
本日の終点、中山手通り3丁目の交差点がトアロードの坂下です。
神戸は、JRや観光案内所でもガイドマップの配布があり、案内板も充実しているのでとても歩きやすい街でした。
最後の方は疲れてか、冗談も出なくなってしまいましたが、お天気にも恵まれて、 事故もなく無事に終了できて良かったです。 この後はもちろん打ち上げ会で喉を潤し散会しました。